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ル・コルビュジエ ロンシャンの礼拝堂

コルビュジエ Le Corbusier設計のロンシャンの礼拝堂 

正式名称:ノートル・ダム・デュ・オー礼拝堂 Chapelle Notre-Dame-du-Haut, Ronchamp
カトリック ドミニコ会の巡礼地として建設された。
1950年に設計開始、1955年竣工。
2016年世界文化遺産に登録。

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コ・ルビュジエが手掛けた3つの宗教建築の一つで、ほかの2つはラ・トゥーレット修道院とフィルミニのサン・ピエール教会。
この2つも行ってきたので制覇。
それぞれに行ったときの記事はこちら。

 

uchitosotoo.hatenablog.com

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もともとロンシャンは巡礼の地であり、中世にこの地に建てられて以来の礼拝堂があったが、第二次世界大戦の際に空爆で破壊された。
戦後、コルビュジエに設計を依頼。

 

 

 

Ronchamp(ロンシャン)駅から礼拝堂へ歩いて行く場合はだいたい30分くらい。



駅を出てしばらく平らな道なのだが、途中で坂道というか山道の方に曲がる。標識が出ているのでわかりやすいです。看板の写真を撮り忘れた。

ここを曲がるとプチ登山。スーツケース引いて、などはなかなか厳しいと思う。
なおRonchamp駅にはロッカーどころか駅舎もないので注意。

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ロンシャンにあるホテルに宿泊したので、大きい荷物は預けて行きました。
ホテルからも徒歩30分程度。
行った時期はオープンする時間が9:00だったのでその時間を目指して行こうと思っていたが、朝食をとったあと少しゆっくりしてしまった。


道の両側の木々が気持ちいい。
登っている途中、礼拝堂がチラリとその姿が現れたり隠れたりする。
9:30頃に到着。

 

まずレンゾ・ピアノ Renzo Piano(イタリアの建築家)設計のビジターセンターでチケット8ユーロを購入。学割もあるようです。
このビジターセンター、景観を損なわないよう、なだらかな斜面に半分埋まったかたちになっています。


受付のお姉さんに『どうやってきたの?』と言われたので「歩いてきた」と答えると『えっ、駅から?』とちょっと驚かれる。「ホテルから。30分くらいだから駅から来るのと同じくらいだよね」と答えると『暑かったでしょ』と労い?の言葉を頂く。歩いて来る人少ないんだろうか。

チケットセンターを出て斜面を登っていくと礼拝堂が見えてきた。はやる気持ちを抑えて、まず手前にある巡礼者の家を見学。

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巡礼者の家

かつては巡礼者の宿泊施設として使われていた建物。
コルビュジエカラーがふんだんに使われており、中には壁画もある。ハイサイドライトからの光が差し込み、決して広くはないが窮屈さを感じさせない。

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巡礼者の家 内部

当時使われていたと思しきベッドが並んだ部屋も。多くの巡礼者が遠路はるばるやって来て、ここに寝ていたんだな。

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巡礼者の家 内部

巡礼者の家を出て、いよいよ礼拝堂へ。
蟹の甲羅をモチーフにしたといわれている、うねるようなシェル構造の屋根と大小の奥行きのある開口部。厚い外壁に柱を飲み込ませてある。直線の多いほかのコルビュジエ作品とは異なり、曲線が象徴的。

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この日も快晴で青い空に白い外壁がよく映えていた。
どの面も違った表情で美しい。

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外部にある祭壇はなんとなくバラバラにも見えるがきれいにまとまっていて、コルビュジエならではだなあ、と納得。

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祭壇

中に入ってみるとカラフルなスタンドグラスの入った開口部からの光が美しい。テーパーのかけ方も開口によって異なり、さまざまな表情を生み出している。

めちゃくちゃきれい
礼拝室は塔になっている部分から光を取り入れているため、柔らかく自然な光が差し込み、幻想的な影を落としている。

フィルミニのサン・ピエール教会、ラ・トゥーレット修道院とはまた違った美しさ、だがどれも自然の「光」を巧みに美しく取り入れている。

なお内部は撮影禁止のため(入り口に書いてあります)ぜひ行って見て欲しいです。

礼拝堂のすぐそばにはコルビュジエと交友のあったジャン・プルーヴェ Jean Prouvé(フランスの建築家)が設計した3連の鐘があります。

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南側には平和のピラミッドがあります。
第二次世界大戦フランス解放時にこの丘で犠牲となった戦友のために、ロンシャンの旧従軍兵士たちの依頼で建てられました。
祭壇の正面にあり、巡礼のミサに参列する際の席としても使われています。

礼拝堂の西側には、ビジターセンターと同じくレンゾ・ピアノ設計の女子修道院があります。こちらも景観に配慮したつくり。ここは立ち入り禁止。

礼拝堂の前から、ロンシャンの街を見下ろす景色が素晴らしかった。
コルビュジエがこの景色を気に入ったというのも納得。

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街が見える


ビジターセンターに戻り、自分用のお土産や本を購入。
モデュロールのTシャツがあったのだけど、パリのコルビュジエ建築を見に行ったときにも買えるかな、と思って買わなかったが結局パリで買えず大後悔時代。本は種類によっては日本語のものもあり、コルビュジエのデッサンが載っている「ロンシャン礼拝堂のためのテキストとデッサン」という小さな本の日本語バージョンなどを購入。

しっかり堪能、礼拝堂をあとにしホテルに荷物を取りに戻ってからRonchamp駅へ。
電車を待つ間、向かいのホームに1人だけ人が来たほかは誰もいなかった。

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Ronchamp駅 時計が止まっていた


無人駅で券売機も見かけなかったので、帰りの乗車券は事前に購入必須です。
そしてやってきたTERに揺られ、パリへと向かったのでした

 

ロンシャンの礼拝堂 Chapelle Notre-Dame-du-Haut, Ronchamp

Colline Notre-Dame du Haut, Ronchamp - site officiel

開館日・時間
2019年10月14日から2020年4月30日まで 10:00-17:00
2020年5月1日から10月11日まで 9:00-19:00
2020年10月12日から 10:00-17:00
1月1日 休み

ル・コルビュジエ 建築図が語る空間と時間

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