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フィルミニ ル・コルビュジエの建築群 Site Le Corbusier

近代建築三大巨匠の一人、ル・コルビュジエ Le Corbusier

2016年にユネスコ世界文化遺産に登録された7カ国17作品のうちの一つ、欧州最大規模のコルビュジエの建築群 Site Le Corbusier
フランスの南東部、ロワール県のフィルミニ Firminy にあります。
なおフィルミニでは文化会館のみが単体で世界文化遺産登録されています。

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ここにあるのは、

・文化会館 Maison de la culture de Firminy-Vert(1965年)

・スタジアム Stade de Firminy-Vert(1967年)

・サン・ピエール教会 Église Saint-Pierre de Firminy(2006年)

・ユニテ・ダビタシオン Unité d'habitation de Firminy-Vert(1968年)

の4つの建築物。

サン・ピエール教会以外はコルビュジエの没後に竣工。サン・ピエール教会はコルビュジエが遺した計画から出発し着工したが、その後地盤の問題や資金面の問題により工事が途中で中止。2003年に工事が再開され2006年に竣工。

 


フランス南東部リヨンのLyon Perrache(リヨン ペラーシュ)駅近くのホテルに滞在していたのでPerrache駅からの行き方になりますが、国鉄SNFCの快速列車TERでFirminy(フィルミニ)駅へ。
券売機でまず切符を購入し、のんびりクロワッサンとコーヒーを買ってからさて乗るかと思ったらかなり離れたホームだということに気づき猛ダッシュ、急いで切符に打刻をしてギリギリで乗り込む。
Perrache駅からFirminy駅へは1時間20分ほど。2等14.4ユーロ。リヨンのほかの駅からだと値段が少々変わるかと。

文化会館、スタジアム、サン・ピエール教会の共通チケットは文化会館で購入できるのでFirminiy駅から徒歩で向かうことに。

駅周辺の歩道にはコルビュジエカラーのラインが書いてあったりとさっそく楽しめます。

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Firminy駅からの道

だいたい20分程度で着くはずだが、迷子になったので3,40分さまようはめに。でもそのおかげでこんな建物も見られたのでよしとしよう。怪我の功名。ただ閉まっていたので何の建物だったのかは不明。

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迷子中に見つけた建物

迷子から軌道修正すると、最初に見えてくるのがサン・ピエール教会。おお!本物だ!と回りをうろうろ。歩みを進めて行くとスタジアムと文化会館が。
ニヤニヤしながらスタジアムの周りをぐるっと回り12:30過ぎに文化会館に到着、さて入ろうと思ったら入口が閉まっている。

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右:世界遺産登録されたコルビュジエ作品が書かれていた。東京上野の国立西洋美術館も。


何事?とよく見たら12:30から13:30は昼休みでクローズ。よかった、定休日じゃなくて(行く前に調べたけど)定休日調べたなら時間も調べなさいよ、という話だけど。
時間つぶしも兼ねて外観を見まくる。側面と緩やかなカーブを描く屋根がかっこいい。

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文化会館


しかし人がいない。そして暑い。ヨーロッパの6月ってこんなに暑い?そんなわけないだろ、と思っていたのだが、記録的熱波だということをこの時点ではまだ知らなかった。

先にユニテ・ダビタシオンを見てこようと思い立ち20分ほどかけて徒歩で向かう。
内部の見学はガイドツアーでのみ可(有料・要事前予約)なので外観のみ見学。
なおガイドツアーは何種類かあるようなので、ユニテがついているものを選ぶ必要があります。
坂道をのぼっていくとその姿が見えてきた。

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大きい。手前は平置きの駐車場になっている。
マルセイユのユニテ・ダビタシオン(実物は見たことないのだが)と同じように赤、青、緑、黄とカラフルに塗り分けられている。ピロティも天井が高い、そして柱が特徴的。

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ユニテ・ダビタシオンのピロティ

しばし建物の周りを見学し文化会館へ戻ると13:30を過ぎていたのでさっそく中へ。

入ってすぐのカウンターで共通チケット6.5ユーロを購入、Visitor’s Guideをもらう。
この建築群に関する展示がある部屋がいくつかあったので見て周ったあと、最初にチケットを買ったカウンターの横にある階段を降りると暖炉のあるホワイエ。窓にはモデュロールの人型とコルビュジエが愛用したメガネを模様したオブジェがあり、競技場がバーンと見える。

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ホワイエ モデュロールと顔はめパネル

競技場へはホワイエから続く屋外階段を降りていく。
上半身裸のおじさんがトラックをウォーキングしていた。
採石場跡地に建てられたので、剥き出しの地層が見えます。

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文化会館

トラックを半周しスタンドへ。
スタンドの対面が文化会館なのでスタンドに上りながらその全貌を見る、開口部の線が美しい。

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競技場のスタンドから見る文化会館

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スタンド座席

スタンドの最上段まで上り、裏手から出てサン・ピエール教会へ。

スロープを上っていくのかと思いきや、入口はそこではない。右側に入口が。
入ると正面にカウンターがあるので、そこで共通チケットを見せると、建物内の周り方を説明してくれる。ここは2階ってことか。

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サン・ピエール教会 左側にスロープが続いている

この1,2階が展示施設になっていて、このときはコルビュジエの照明についての展示が開催されていました。
最初の部屋は、階段状になっていて展示を見ながら少しづつ降りて行く。高低差があるので一番下まで降りていくとかなりの天井高。コルビュジエがデザインした照明器具がかなり贅沢に展示されていました。
その部屋を出て進んでいくと、ずらりと展示が続いている。その先も最初の部屋ほどではないけれど何段かの階段状になっていた。コルビュジエこんなに照明器具デザインしてたのか、勉強不足だわ、なんて思いながらかっこいいのでじっくりゆっくり見ているとけっこう時間がかかりました。

最後まで見ると階段があるので上っていくと、大きな鉄扉が。まさかここなのかしら、そういえば階段上ったらドアがある、って言ってたよなあ、と思い開けてみると薄暗い。
中に入って進んでいくと、そこがまさに教会。

めちゃくちゃきれい。

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小さな穴がいくつも開いており、そこから小さな光が射していて星のよう。
天井には光の大砲、側面にはスリット窓があり、光が射している。とんでもなくきれい、美しい。
語彙力の足りなさが情けない。

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光の大砲

コツコツと歩く音とカメラのシャッター音が反響する。ちょっと泣きそうになったので、鼻をすする音も反響。
しばらくぼーっと見とれてしまった。

十分に堪能し、また大きな鉄扉から出て教会をあとにした。
すぐ横にプールがあったので外観だけ見学。中も見てくればよかった(なおこれはコルビュジエの設計ではない)

 

文化会館に戻り本などを購入。お買い得だったのがこの本でなんと4ユーロ。A5サイズより横幅が2cmほど大きい程度なのだけど、紙はちゃんとしているし84ページあるし、本当にこの値段なのかな、とびっくりしたのだけれどこの値段だった。フランス語と英語、一部フランス語のみ。裏にISBNの番号があったので検索してみたのだけれど、web上では売っていないみたいです。お土産に何冊か買ってくればよかった。

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帰りは迷子にならずに駅に到着。駅のカウンターで切符を購入し、行きに乗ったのと逆方面の列車に揺られてLyon Perrache駅へと戻ったのでした。

 

このル・コルビュジエの建築群、平日だったのもあったのかもしれないけれど、とんでもなく空いていて同じ時間帯の見学者は5,6人だった。バカンスの時期なんかはもう少し多いのだろうか。

パリから離れているけど、というかリヨンからも少々離れているけど足を伸ばして行ってみる価値ありです。

 

フィルミニ ル・コルビュジエの建築群 Site Le Corbusier

https://sitelecorbusier.com/en/

開館日は時期によって異なるので公式HP確認

ガイドツアーは上記公式HPから事前にオンライン予約が必要