メキシコでルイス・バラガン建築を見る その2
メキシコを代表する建築家、ルイス・ラミロ・バラガン・モルフィン Luis Ramiro Barragán Morfin(1902-1988)
ルイス・バラガン建築を見て回る現地ツアー、前回の続きです。トゥラルパンの礼拝堂、ルイス・バラガン邸と仕事場 、ヒラルディ邸についてはこちらのエントリーにて。
- サテリテタワー Torres satelite
- ベベデロ噴水 Fuente del Bebedero
- ロス・アマンテスの噴水 Fuente del Los Amantes
- サン・クリストバルの厩舎 Cuadro San Cristobal
サテリテタワー Torres satelite
メキシコシティ郊外ナウカルパン、道路の中央分離帯に立つモニュメントで、異なる色と大きさの5つのタワー。画家のレスス・レイヘス・ファレイラと彫刻家のマティアス・ゲーリッツとの共同作品。断面は三角形、立面は四角。
まずは近くにある歩道橋から全体像を見ることに。この歩道橋、けっこう揺れる。高さの異なるタワーが5本。想像していたより大きいな、というのが最初の感想。
その後車に乗りタワーに向かって道路を走る。近づくにつれてどんどん表情が変わってくる。横から見ると壁のようにも見えた。この変わりざまがとてもおもしろく興味深かった。こんなに変わるんだな、と。
ベベデロ噴水 Fuente del Bebedero
バラガンがディベロッパーの仕事をしていた際につくった高級住宅街ラス・アルボレーダス Las Arboledas地区につくられた公園内にある噴水。なお現在は水は張られていない。白と青の巨大な壁がバラガンらしい。
噴水の近くにこの地区の協会のようなオレンジとピンクの間といった外壁の建物があり、中はバラカンのちょっとしたミュージアムになっている。
ここは開いていたり開いていなかったりするとのこと。たまたま開いていたので中に入って見学。ラッキー。竣工当時の写真などが展示されていました。
公園の一角にバラガンの銅像がありました。
ロス・アマンテスの噴水 Fuente del Los Amantes
ベベデロ噴水から近い。高級住宅街ロス・クルベス Los Clubesにある。この地区に入るときにドライバーが身分証らしきものを提示し、許可証を受け取っていました。どうやら居住者以外は許可証がないと入れない地区とのこと。高級住宅街すごい。
この噴水もこの日は水は出ていなかったけれど池に水が張ってあった。緑だったけど。うしろの鮮やかなピンクの壁と噴水のグレーのコントラストがよい。
横に回り込んで見ると吐水口が手前の壁に乗るように延びているのがわかる。
噴水の前には木製のオブジェが。
サン・クリストバルの厩舎 Cuadro San Cristobal
ロス・アマンテスの噴水のすぐ近く、同じくロス・クルベス地区にある。白い壁に木製の門扉というシンプルな外観。
サラブレッドの繁殖と訓練を専門に行うFolkeファミリーのために設計した厩舎と邸宅。1968年竣工。
2018年だか2017年に前オーナーが売り出し、約20億円で現在のオーナーが購入したとのこと。売却の条件として、バラガンが好きなこと、およびバラガンが好きで見学を希望するに対して公開すること、といったことを挙げていたそう。お陰で前オーナー所有時から引き続きこの建物を見学できるとのことです。こちらも個人で見学したい場合、見学の予約必要です。個人邸でありご好意で一般公開してくださっています。
門をくぐると入るとまず左手にオーナーの邸宅。その先に白い壁、そしてピンクの壁、馬のプールの水が見えます。このピンクの壁が吐水ロ。白から薄い水色へグラデーションがかかったように見えるプールとその奥に生えている大きな木、鮮やかなピンク、そして晴れ渡った空に身惚れていると、厩舎のスタッフの方が吐水口から水を出してくれました。いやー、すごい。なんだこの美しさは。空の青さと木々の緑、目の覚めるような鮮やかな壁。大木の後ろにはブーゲンビリアの紫の壁。
しばらく水が流れるところを見せて頂いたあとは厩舎や庭を見学。馬、いましたよ。厩舎の一部は馬主用の休憩室になっており写真などが飾ってある資料館になっていました。厩舎側からプールの方を見ると、プールの向こうにこれまたピンクの壁というかアーチが見えます。その向こうは秘密の花園(懐かしい)のような庭になっていました。
この敷地がかなり広く、ゆっくり見て回りましたがいくら見ていても飽きない。なんだかグッときてしまった。馬が放牧されていたりも。
ちなみにこのサン・クリストバル厩舎、過去に某マヨネーズのCMや高級ブランドの広告にも使われたことがあるので、目にしたことがある方も多いのでは。
丸一日たっぷりバラガン建築を堪能し、大満足の一日でした。
また見に行きたい。次に行くときは自力で行きたいぞ。