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メキシコで愛されるビートルことボチョVocho

メキシコの街中を歩いていると、フォルクスワーゲン社のビートル、とくに丸みのある古い型のビートルをよく見かけます。

 

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古い型だけあって年期が入っているものも多め。フォルクスワーゲンのメキシコ工場で生産されていました。ドイツ製とはディテールなどが異なるらしいがれっきとしたビートルです。

 

 

 

 

メキシコのビートル、ボチョとは?


Vocho ボチョとは2003年まで生産されていたメキシコ製のビートルの愛称。なお2003年以降はプエブラ工場でニュービートルを生産していましたが、2019年7月にて生産終了。
かつてはメキシコのタクシーとして緑と白のボチョが多く走っていたそう。
そのような背景を知らなかったとき、路上でけっこうな数のボチョを見かけたのでメキシコ人に聞いたところ、この愛称とメキシコ人はボチョが好きなんだよ、ということを教えてもらいました。どこの都市でも必ずといっていいほど見たのですが、びっくりするほど写真撮っていなかった・・・

 

ボチョとアート、芸術作品


その人気を象徴するかのように、ボチョをつかったアート作品もあります。
メキシコシティにあるMuseo de Arte Popular 民芸品博物館には、メキシコの先住民ウイチョル族(huichol)のビーズアートが施されたボチョ、Vochol ボチョルが展示されています。その名の通り、vochoとhuicholを合わせてVocholだそう。

youtu.be

 

小さなビーズがひとつづつ貼付けてあり美しくそしてその精巧さに驚きます。このボチョルは8人の職人の手により、90kgの2,277,000個のビーズを使い、4,760時間をかけて作成されました。天然素材である蜜蝋(ミツロウ)を接着剤として手作業。ウイチョルの神と文化が表現されており、2010年12月にお披露目され、現在はアラメダ公園近くの民芸品博物館にあります。ウイチョル族のビーズ作品は本当にすごいですよ。

 

 ※なお2020年4月現在休業中

 

オアハカ切手博物館 Museo de la Filatelia Oaxacaにも、入ってすぐのところに切手を貼ったボチョがあります。この博物館は無料にも関わらず見応えがありおすすめです。

 

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オアハカ切手博物館のボチョ。なぜか後ろ姿の写真しか手元にない。


uchitosotoo.hatenablog.com

 

ほかにも、メキシコシティから50kmほど離れたところにあるテオティワカン遺跡で有名なテオティワカン文明の神などを黒曜石で描いたVocho Teotihuacanoというものもあるそうです。いまどこに展示されているのだろう。

 

メキシコに行った際にはぜひ注目して見てみてください。少し気にしていると、本当によくボチョを見かけますよ。かたちあるものなのでいつか壊れてしまうのでしょうが、メキシコの風景のひとつとして少しでも長く残っていて欲しいです。