オアハカってどんなところ?
メキシコ南部オアハカでの死者の日やゲラゲッツアについて書きましたが、オアハカはとても魅力的なところです。
メキシコシティからオアハカ州の州都、オアハカまでは飛行機で1時間ほど、バスで7時間ほどの距離にあります。
先住民族の割合がメキシコ全体の割合よりも多く、先住民族文化、芸術、歴史のある土地です。「オアハカ歴史地区とモンテ・アルバン 」が1987年に、「オアハカ中部渓谷ヤグルとミトラの先史時代洞窟」が2010年にそれぞれユネスコ世界遺産登録されました。観光都市でありとくに欧米人観光客が多く、また長期滞在者も多いとのことです。
セントロの街並みとサント・ドミンゴ教会
世界遺産に登録された歴史地区、セントロはカラフルな建物が立ち並ぶかわいらしい街並みが魅力です。いわゆるビルのような建物はありません。カラフルな壁に加えてかわい、かっこいい壁画が書いてあったり。死者の日ではなくてもほかの都市よりガイコツ多めな印象。
オアハカのシンボル的なサント・ドミンゴ教会 Templo de Santo Domingo de Guzmánはメキシコを代表するバロック建築。教会の中は厳かでありながら豪華です。
その周辺にはレストランやカフェ、おしゃれな民芸品やブティックなどがたくさん。刺繍の入った服や民族衣装、サポテックラグ、ブリキのオーナメント、アレブリヘといったさまざまな民芸品が販売されています。アレブリヘ Alebrijeとは実在しない不思議な聖なる獣で木彫りの置物。リメンバー・ミーに登場したペピータや、途中から犬のダンテもアレブリヘがモデルになっています。芸術を大事にしている土地だけあってか、ギャラリーはけっこうな数がある印象。民芸品の露店もずらり。昼間は少ないですが屋台も出ています、夕方から夜にかけて屋台の数が増えます。
このサント・ドミンゴ教会では週末になると結婚式が行われており、教会の前で生演奏とゲラゲッツアのときに登場するバルーンのようなものと踊り子による踊りがあります。もちろん新郎新婦と参列者も一緒になって踊ります。みんな踊るのうまい、うらやましい。さらに教会の前の道に出てちょっとしたパレード。見ているこちらもうきうきしてしまう。これは何度見ても楽しいです。どうやらオアハカの名物のひとつになっているようでとても人気があるそう。地元の人に聞いたところ、詳しい値段はわからないけれどけっこうお高いらしい。
ちなみにサント・ドミンゴ教会のすぐ近くにあるサングレ・デ・クリスト教会 Iglesia Sangre De Cristo前でもやっていることがあり、あっちでもこっちでも状態なのを見たことがあります。
メキシコの都市によくある地名のオブジェ、以前はサント・ドミンゴ教会周辺にあったようですが現在はありません。少なくとも去年の夏以降はないです。オフィシャルのものではなかったという噂を聞いたことがありますが、本当かどうかは不明。
ソカロ
サントドミンゴ教会からゆるやかな坂道を南に下って行くとソカロ Zocaloとカテドラルがあります。教会からソカロまでは歩いて10分ほどの距離。この二つを結ぶ道は、イベント時期や週末はすごい人です。またソカロもいつも多くの人で賑わっています、土日は特に多い。服や民芸品、民族衣装、食べ物の屋台もたくさん出ています。またイベント時期はステージが出来てコンサートが開催されたり。クリスマス時期には大きなクリスマスツリーが登場します。
ソカロの中央にカルーセルのような見た目の屋根のある建物があるのですが(もちろん木馬はありませんが)この下はちょっとした商店やコメドールがあります。まさかこのスペースに!と始めて見たときは驚きました。ただ毎日開いているのかは不明。
ソカロなど、メキシコの街中ちょっとしたものについてはこちら
食事
美食の街と言われており、オアハカならではの食べ物がいろいろあります。モーレという煮込み料理、ケシージャという元祖裂けるチーズのオアハカチーズ、ピザのように大きなトルティージャに肉やチーズが載ったトラユーダ、チョコラテなどなど。おいしい。
Netflixのドキュメンタリー「ストリート・グルメを求めて:ラテンアメリカ」のシリーズ1エピソード3の舞台はこのオアハカです。この中に登場するメルカドと呼ばれる市場でもいろいろなオアハカ料理が食べられます。
セントロは大きくもなく、だからといって小さくもなく、歩いて見て回るにはちょうどいい大きさ。治安もメキシコ内では比較的良いとされています(とはいえひったくりなどが皆無なわけではありませんので気をつけましょう)
郊外にも観光名所がたくさんあり、文化、歴史と自然にあふれたオアハカ、おすすめ都市です。美術館や郊外の観光名所についてはまた。
オアハカの舞踊の祭り 2019年にゲラゲッツアに行った話はこちら
オアハカの死者の日に行った話は話はこちら
オアハカの舞踊の祭り ゲラゲッツアに行ってきた 街中編
メキシコ南部のオアハカ Oaxacaで毎年7月に開催される、ラテンアメリカ最大規模の民族舞踊の祭
ゲラゲッツアGuelaguetza
オアハカ市中心部にあるゲラゲッツアのために建設された野外劇場、アウディトリオ・ゲラゲッツア Auditorio Guelaguetzaで鑑賞した話はこちら。
なお今年のゲラゲッツアは新型コロナウィルスの影響で残念ながら中止だそうです。来年を楽しみに!(2020年5月追記)
このゲラゲッツア期間にはアウディトリオ以外でも、街中でさまざまなイベントが行われていました。
街中にある切り絵の飾り、パペルピカド papel picadoもゲラゲッツア仕様。
本番前の土曜日にはセントロの北から南にかけて盛大なパレードが。死者の日とほぼ同じコースだったっぽい。Oaxaca Events オアハカイベンツというサイトでコース付きで乗っていました。
始まる前から沿道はすごい人で埋め尽くされていました。カラフルな衣装と踊り、飾り、音楽、どれをとっても最高。
ぐるぐる廻る花火とかすごい。丸い大きなバルーンのようなものに、地域名(グループ名)が書いてありました。
このパレードでもちょっとしたお菓子や特産物を沿道に向かって投げてくれます。楽しい。そしてアウディトリオ・ゲラゲッツアに出演するグループが出るとのことなので見応え抜群。2019年のゲラゲッツアのポスターの絵が帯についた水を配っていたり。
この日以外にもちょっとしたパレードがあったり、その辺の道で踊りが始まったり。
セントロをブラブラしていて音が聞こえる!と思って行ってみるとなにかやっていたりします。それと週末はサントドミンゴ教会で結婚式からのパレードがよくやっており、こちらも楽しいです。ゲラゲッツアの期間に結婚式を見た記憶があまりないが・・・
ほかにもソカロやサント・ドミンゴ教会近くの特設ステージで連日コンサートなどが行われていたり。
さらに!死者の日と同じくサント・ドミンゴ教会横の通りにはオアハカの村々のさまざまな民芸品を販売する特設テントが登場。このテント、ゲラゲッツア、死者の日、クリスマス前から年始にかけて、3月から4月にかけてのセマナ・サンタ(イースター)4回しか出ないという噂。
またオアハカのセントロだけでなく、周辺の村でもゲラゲッツアが行われます。自分はセントロで過ごしていたので足を伸ばしてはいないのですが、そちらもとても良さそう。場所によっては夜バスがない時間までやるそうなので(深夜とかではないけれど)タクシーをチャーターするとか最後まで見るのは諦めてバスのある時間に帰るなどする必要があるようです。
今年2020年のゲラゲッツアは7月20日と27日の月曜。その2日間以外にも街中でお祭り気分が味わえます。少し早い夏休みにいかがですか。
2020年のゲラゲッツアは中止。残念。
オアハカの舞踊の祭り ゲラゲッツアに行ってきた
メキシコ南部のオアハカ Oaxacaで毎年7月に開催される、ラテンアメリカ最大規模の民族舞踊の祭
ゲラゲッツアGuelaguetza
オアハカきっての一大イベントです。ゲラゲッツアとはサポテコ語で「シェアする、共有する」といった意味。オアハカ州の州都オアハカ市の中心部だけでなく、周辺の村々でも開催されます。
なお残念ながら2020年のゲラゲッツアは新型コロナウィルスの影響で中止となりました。来年を楽しみに!(2020年5月追記)
毎年7月16日以降の月曜日、2週にわたって開催されます。2019年は7月16日が火曜日だったため、22日と29日でした。一番有名なのがオアハカ市中心部「フォルティンの丘」の上にある野外劇場、アウディトリオ・ゲラゲッツア Auditorio Guelaguetzaにて開催されるゲラゲッツア。この1万人以上を収容する野外劇場、なんとゲラゲッツアのために建設されたとのこと。2019年7月22日にこのアウディトリオ・ゲラゲッツアでのゲラゲッツアを見てきました。
チケットについて
アウディトリオ・ゲラゲッツアで鑑賞するには
・有料のA席、B席(前売り)
・無料のC席、D席(当日並ぶ)
があります。
各日10時からと16時からの2回公演。定価は手数料込みでA席が1,290ペソ(約7,700円)、B席が1,045ペソ(約6,300円)だったかと。数年前より高くなっているらしいので2020年は異なるかもしれません。
有料席は毎年5月頃からWEBなどで販売開始されます。しっかりした紙のチケットだったので日本で個人で購入できるのかは不明、受け取りどうするんだろう。2019年は、オアハカ出身でアカデミー賞撮影賞などを受賞した映画「ROMA」の主演女優ヤリッツァ・アパリシオがオフィシャルプロモーションビデオに出演したことで、当日本人が出るのでは?という噂が浮上、チケット即完売、そして転売で高騰したとかしないとか。その騒ぎを聞いてか本人が「ゲラゲッツアには出ない」と明言したとのこと。
が、ゲラゲッツアを見にいくのを決めた時点ではそのあたりのことは分からず、行って考えようと。
チケットを入手(ただし旅行代理店で)
2,3日前にWEBの販売ページにアクセスしたものの当然完売で。市庁舎のようなところが案内所になっていたので行ってみたところ、係の人はスペイン語のみだったのでgoogle翻訳を使って聞いてみたもののこちらでも当然完売と。どうしたものかとソカロをウロウロしていたところ、旅行代理店の看板にチケットあるぞ、てな張り紙を発見。英語で値段を聞いてみたところまあまあお高かったので一旦退散。翌日ここで買うことになるのだけれど。
その翌日、知り合ったスペイン語が堪能な方にご一緒してもらい、再度案内所へ。前日知り得なかった情報を聞き出して頂いた。当日会場にダフ屋がいることもあるとか、値段は定価よりは高いんだけど、良心的な値段のこともあるし、めっちゃ高いこともあるっぽい、ダフ屋がいるかはわからんけど、とか。無料席は当日並んで早いもの勝ち、早朝、早い人は深夜から並ぶこともある、とか。何時に行けば大丈夫てのはわからん、とか。
そして前日に行った旅行代理店へ。まだ張り紙があったので中に入ってみると前日とは違う人が対応してくれました。前日言われた値段より安い。まじですか。その時点で代理店にチケットがなく、どの席かはわからないけれど今支払わないとほかで売れてしまうかもしてないとのこと。確実に入りたかったのでありがたく購入。B席、定価の約2倍。1時間後に戻ってきてと言われたのでその辺をぶらぶらし、時間を潰して戻るとチケットが。
観光客が多くなってチケットの定価自体が値上がりしたりダフ屋が増えたりといったことになってきているらしくうしろめたい気持ちもなくはなかったが、ごめんなさい、買いました。これを見るために来たので確実に入りたかった(言い訳)なお地元のメキシコ人の知人に聞いたところ、値段が高いし無料席に並ぶのも大変だしオーディトリオでは見ない、と言っていました。ほぼ観光客向けになっているようです。
ちなみに当日会場入口でチケット余っちゃった様子の人やダフ屋らしき人も見かけました。スペイン語堪能な方たちは当日の早朝、たしか5時頃だったかに並び、C席をゲットされていました。
いざ鑑賞
さて当日、チケットに書いてあるゲートから入場。
まず荷物検査があります。ペットボトルなどは持ち込み禁止で没収されますが、テープに名前を書いて預かりも可能なようでした。結構な人数なのに。会場内で飲み物や軽食が販売されているので飲み物はそこで買いました。
A席B席は麦わら帽子の配布がありました。リボンがついているのだけど、ゲラゲッツアと書いてあるものと、スポンサー名が書いてあるものがあり。そんなことはつゆ知らずスポンサー名の書いてある方を貰ってしまった。席に着いてまわりを見渡して気付く。ゲラゲッツアの方もらえばよかった!自分の席はB席の後ろの方、そして端の方。天井吊りの機材が写真に写り込んでしまったり、いい席というわけではなかったですが、ちょこっとステージの裏側が見えたりトイレが近かったり、という利点はありました。確実に入りたかったし。数年前は幕の屋根がついていなかったらしいですが、ちゃんと屋根ありました。天候にもよりますがこのときは風が吹き抜けていたので涼しいというかちょっと肌寒かった。羽織るものを持っていった方がよいです。A席はほかにもお土産があるようで、座席の上にスポンサー名入りの袋が置いてありました。ペットボトルの水が入っていた様子。
いよいよはじまりはじまり。
音楽に合わせて可愛らしい衣装を見にまとった踊り子が登場。地域によって衣装もさまざまで楽しい。のんびりした踊りから激しいダンスまで。
頭上に花火をつけた牛の人形のようなものを持ってグルグル回ったり。爆竹のような音を上げながら四方に火花が飛び散る!
迫力満点、これはステージ上でやっていましたが街中のパレードでもやることがあります。だけど近くにいるとけっこう怖い。
#guelaguetza2019 pic.twitter.com/fZmfJAjRIx
— ウチトソトオ (@uchitosotoo) February 3, 2020
そしてゲラゲッツアの醍醐味、各グループのダンスが終わるとその村の特産物などを客席に投げる!客は席から立ち上がってそれらをキャッチの争奪戦。これがとても面白い。みんなもらった麦わら帽子をヒラヒラと振ったり手を振ったりして「こっちに投げて!」とアピール。
#guelaguetza2019 pic.twitter.com/QVy7Kmxb7n
— ウチトソトオ (@uchitosotoo) February 2, 2020
ステージの上からはもちろん、ステージから離れたところは会場にいるスタッフが投げてくれます。パイナップル、パパイヤ、小さなカゴ、メスカルなんかも。さすがにパイナップルや陶器に入ったメスカルのような大きいものやぶつかって危なそうなものは、ステージ近くでソフトに投げられたりスタッフが手渡ししたり。ほかにもパンやトスターダスのようなものなどなど。ちゃんと紙袋に入っています。動画でお見せしたい。とりあえず動画をツイートするというアナログ?な方法にて載せてみました。
とにかくいろんなものが飛んでくる。席によって飛んでくる量は異なりますが、C,D席にもちゃんと飛んできますよ。自分の席は少なめでしたが、近くの席の人から貰ったり、こちらからあげたり。食べ物はみんなその場でパクパク。
フロール・デ・ピーニャ Flor de Piña(パイナップルの花)という踊りがたまらない。すごく人気があります。パイナップルを持ちながら踊る、そして衣装も可愛い。San Juan Bautista Tuxtepecという村。
17組だったか、各グループのダンスと投げられるものをキャッチを堪能し、最後はすべてのグループがステージ上へ。踊る!躍りまくる!!すんばらしいフィナーレ。
最高。ちなみに夜の部は花火が上がった模様。
そして終演、踊り子たちも同じ出口から出るので間近でみることができます。頭に乗せた花、重そう。
出るのは席のゾーン毎に順番なのととにかくひとが多いので多少時間がかかります。
会場から出て歩いていると、午後の部の無料席に並んでいるらしき長い列が。驚きの長さ。みんな入れただろうか。
なおこの会場以外の街中でもいろいろなイベントが行われていました。
とにかく!見て楽しい、投げられるものをキャッチして楽しい、よいお祭りでした。今年2020年は7月20日と27日。チケット発売がいつかはまだわからないのですが、近くなったらチェックしてみよう。
今年のゲラゲッツアは新型コロナウィルスの影響で中止になりました。残念。